ラベル TechDays の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル TechDays の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010年2月24日水曜日

ダイヤモンドは砕けない

ゆりかもめに初めて乗りました。

techdays2010 

わーい、自由の女神だー。あははー。あはははー。はぁ...。

台場でTechDays2010のBoFに出てきたんです。

4 の時代の Web アプリケーションを語ってみよう

小野さんとナオキさんと三人でのおしゃべりはTechEd 2009の時とあわせて2度目です。相変わらず打ち合わせとかしないのにはヒヤヒヤです。

ASP.NET 4になっていろいろすごいじゃないですか。その辺の話をしましょうよ、ということだったので、たけはら担当はもちろんASP.NET MVC 2。一応事前に書いておいたメモをブログにも載せておきます。

メジャーな部分

  • データ検証の方法がDataAnnotationsを基本にしたものになりました。

これまで通りIDataErrorInfoを実装したものも有効ですが、ValidationAttributeをモデルまたはモデルプロパティに指定(ModelMetadataで外部に定義したものでも可能)して、DataAnnotationsModelValidatorを使用するようDefaultModelBinderが変更になっています。
LinqBinaryModelBinderも標準実装に組み込まれたので、System.Data.Linq.Binary(SqlDbType.Timestampなど)をbase64でhiddenからポストしたときも、自動で復元されます!
またLinqBinaryModelBinder、基底クラスのByteArrayModelBinder(byte[]を復元)もFuturesから昇格です。

  • ASP.NET 4で組み込まれるSystem.Web.IHtmlStringを使えるようにMvcHtmlStringクラスが導入されました。

MvcHtmlStringのソースファイルを確認するととても勉強になります。まさに黒魔術。
すべてのヘルパーはstringではなく、このMvcHtmlStringを返すよう変更されています。
<%: expression %>としている場合、自動的にHtmlEncodeした結果がレンダリングされるので、今後はこれが主流になります(きっと)。
MVC2の実装でもそうですが、2.0ベースのSystem.Webにはそんなものないので、なので、ASP.NET 4じゃない場合はこれまで通り、Html.Encode(string)を使いましょう。
IHtmlStringの場合、<%: ihtmlstring %>となっていても、HtmlEncodeをかけずに出力するので、Partial HTMLをレンダリングする場合(ヘルパーのレンダリングとかも)は、IHtmlStringとして渡しておきましょう。

  • AcceptVerbsAttributeがHttpVerbs.Get/Post以外に、Put/Delete/Headにも対応するようになっています。

Get/Post以外は通常、ブラウザからは送信されないですが、HtmlHelper.HttpMethodOverride()をformタグ内で呼んでおくことで、hiddenにX-HTTP-Method-Overrideという名前で、メソッドオーバーライドを保持するようになり、POSTを使ったHttpVerbsの上書きができるようになります。
この辺の実装はHttpRequestExtensionsに用意されてるHttpRequestBaseに拡張メソッドとして実装しているGetHttpMethodOverride()がまるっと処理してくれるようになっています。
もちろんここも、AcceptVerbsAttributeの判定メソッドがoverride可能になっているので、独自のAcceptVerbsAttributeを実装することで、Railsライクに"_method"というオーバーライドを使うように変更することも可能です!
これは今までのバージョンではとても面倒な実装 にしないとできない部分でした。
ちなみに、RESTfulなController実装をするときに、これができないと、ブラウザからのリクエストと、その他のクライアントからのリクエストの処理を簡単に切り分けできなくてとても不便です。

  • JsonResultを返すActionの場合、HttpVerbsがPOSTであることが基本条件になりました。

セキュリティ的にゴニョゴニョらしいです。

  public ActionResult Json()
  {
    //var json = Json(new {result = "json!"});
    //json.JsonRequestBehavior = JsonRequestBehavior.AllowGet;
    //return json;
return Json(new {result = "json!"},JsonRequestBehavior.AllowGet); }

Getなら↑これで大丈夫。

修正:2010年3月9日

  • DefaultControllerFactoryからRequestContextプロパティが無くなりました。

依存性をなくすのはいいことです。その代わり、Controllerのインスタンスを生成するためのCreateControllerにRequestContextをパラメータとして渡すようになってます。
Mockを作る時が楽ちんです。

  • AreaをサポートするためにRouteData.Valuesで"area"が予約されるようになりました。

自分仕様でこの名前の値を使ってる場合は変更しておきましょう。

  • Html.Substituteは残念ながら使えなくなりました。
  • クライアントサイド検証が標準で組み込まれてます。

このクライアントサイドコードを生成するために、C#からJavaScriptを吐き出す
ScriptSharpが使われています。
コード生成に興味がある方は、参照してみるといいんじゃないかと思います。

Script#
http://projects.nikhilk.net/ScriptSharp

ボスが最近似たようなのを見つけてはしゃいでました。

SharpKit - Write C# instead of JavaScript
http://sharpkit.net/

  • Templateベース

DynamicDataと同じようにTemplateベースのモデルレンダリングを実装したHtml.EditorForやDisplayFor、プロパティベースのレンダリングを行うTextBoxForやLabelForなんかも目が離せない便利機能です。
System.ComponentModel.DisplayNameAttributeやUIHintAttributeを使ってカスタマイズもしやすくていいですね。

注目機能

  • ChildActionOnly属性

HtmlHelperのRenderAction/Actionからの要求しか受け付けないようにするActionFilter。

  • UrlParameter.Optional

Route登録時にRouteData.Valuesにキーすら含ませないようにするオプション。

Deep Dive!

一番注目したいのはASP.NETらしさをしっかり継承したProviderモデルへのリファクタリングです。マニアックな部分ですが、拡張性を考慮して、より自由どの高い開発を行えるよう沢山のフックポイントを提供するために実装されています。処理の流として入力→検証(Model)→処理(Controller & Model)→出力(View)
というフローになるそれぞれのつなぎ部分で拡張できる感じです。

MVCソースから"Provider"と付いているクラスを検索!

  • ModelMetadataProviders
    • ModelMetadataProvider
      • AssociatedMetadataProvider
        • EmptryModelValidatorProvider
        • DataAnnotationsModelValidatorProvider

ModelMetadataを取得するためのプロバイダ。
モデルやモデルプロパティに関するすべてのメタ情報。
ValidationAttributeの定義や、型情報、出力方法など。

  • ModelValidatorProviders
    • ModelValidatornProvider
      • AssociatedValidatorProvider
        標準のValidationAttribute用のAttributeAdopterクラスとDataAnnotationsModelValidatorを管理。
        • EmptryModelValidatorProvider
        • DataAnnotationsModelValidatorProvider
      • DataErrorInfoModelValidatorProvider
        IDataErrorInfoの実装に対するDataErrorInfoPropertyModelValidatorとDataErrorInfoClassModelValidatorを使って、検証の結果を取得する。
      • ClientDataTypeModelValidatorProvider
        数値型に関するNumericModelValidator。
    • DataAnnotationsModelValidatorProvider
    • DataErrorInfoModelValidatorProvider
    • ClientDataTypeModelValidatorProvider
  • IValueProvider
    • NameValueCollectionValueProvider
      • FormValueProvider
      • RouteDataValueProvider
      • QueryStringValueProvider
    • HttpFileCollectionValueProvider

ModelBinderがモデルにデータをバインドするさいに、値を取得する際に利用する。データの出所がどこなのかをModelBinderは意識しなくてもいいんです。

次に"Factory"とついたクラスを検索!

  • DefaultControllerFactory
  • ValueProviderFactories
    • ValueProviderFactory
      • FormValueProviderFactory
      • RouteDataValueProviderFactory
      • QueryStringValueProviderFactory
      • HttpFileCollectionValueProviderFactory

コントローラの生成用のControllerFactoryと、IValueProviderを実装したValueProviderFactoryたちの2種類です。これがリファクタリングした超重要な部分になります。

で、後は、これらを利用したサンプルの紹介という流れです。

MVC Presenter

↑これね。このサンプルそのものがWebアプリケーションになっていて、サンプルの実行そのものがプレゼンスライドの表示になるという仕掛けだったんですけど...。

プロバイダモデルがうんぬんくらいからちょっとツマラナイ話になってしまいましたね。今回はコードに関する説明がごっそりできてないので、MVC2の良くなった部分がサンプルのどこにどう使われているのか、全然伝えられませんでした。反省してます。Zipで圧縮したのをアップロードしてどうのこうのとか、実はパワポじゃないんだよとか、それ以前に何を伝えようとしてるのかが、伝えられてなかったです。ドン引きってこんな時に使うのかな。

心が折れて、帰りのゆりかもめでは夕日が目に染みた。泣いてなんかないやい。

JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part4 Diamond is not Crash

けど、魂を砕くことはできないぜ!また機会があったら、今回の教訓を生かし、もっと参加者に楽しんでもらえるよう的を絞ったプレゼン+コードにしようと思います。

サンプルの説明を近いうちここにエントリしようと思います(ここ知らない参加者の方には申し訳ないですが)。

dotnetConf2015 Japan

https://github.com/takepara/MvcVpl ↑こちらにいろいろ置いときました。 参加してくださった方々の温かい対応に感謝感謝です。