べーさんも気になってるように、ASP.NET MVCでは文字列(マジックストリング)を指定して、リンクやURLを生成するのが普通ですね。
<% using(Html.BeginForm("Index","Home")) { %> <% = Html.TextBox("Name") %> <input type="submit" value="ポスト" /> <% } %>
例えば、↑こんな感じで書くと↓こんな感じの出力に。
<form action="/" method="post">
<input id="Name" name="Name" type="text" value="" /> <input type="submit" value="ポスト" /> </form>
リンクの場合もそう。
<% = Html.ActionLink("ホーム", "Index") %>
↑こんな感じでしょう。URL生成はコントローラとアクションを指定したり、ルーティング名を指定したりするのが、今までのオーソドックスな書き方。
そんな状況は誰も嬉しくないよ!だってアクション名変えたら、指定してる箇所全部検索して変更しなきゃ行けないし、1文字でも間違ってたらちゃんと出力してくれない。あぁ、誰か助けて。
そもそもの始まりは↓ここからでした。
Angle Bracket Percent : A BuildProvider to simplify your ASP.NET MVC Action Links
BuildProviderを使ってASP.NET実行時に、CodeDom使ったコンパイラを走らせてがんばる方法(自アセンブリをリフレクションで探索)。なるほど~、と。ただ、やっぱり応用しにくいっていうか、コードが書きにくい感じで、その時はそれほど便利でもないかな~、なんて油断してました。それでも、この時点でHtmlHelperを拡張して、文字列指定じゃなくて関数指定でリンク生成出来てました。この辺でPhilさんもエントリ上げてて、ActionNameで別名使ったときにこれだと対応出来ないから、その辺上手いこと処理出来るのを次のバージョンに向けて考えてます的なことを言ってた気がする。
その後、いろいろ試行錯誤があって、出てきたのが↓これですよ。
Angle Bracket Percent : A new and improved ASP.NET MVC T4 template
CodeDomじゃなくてT4でいいんじゃね?と気がついたんでしょうか。コード生成するならこういうテンプレートエンジン使った方が断然生産性が高いしね。このときはまだMvc-CodeGenっていう名前だったんですが、これを更にブラッシュアップして出てきたのが↓。
Angle Bracket Percent : T4MVC 2.2 update: Routing, Forms, DI container, fixes
ちょっとバージョンアップしたんだけど、T4MVCに名前変わってからはMVCのソースが公開されてるCodePlexに組み込まれました(アドインだからこういう言い方はおかしいかも?)。
ASP.NET - Release: ASP.NET MVC v1.0 Source
ドキュメントなんてかけらもないので、どういう物かはソースを見て判断しましょう。まぁ、TTファイルの最初に書かれてる内容がそのままなんですけどね。
とにかくまず、自分のMVCプロジェクトのルートにT4MVC.ttをコピー。準備はこれだけ。後はT4なんで勝手にコード生成してコンパイルしてくれるので、すぐに使い始められます(最初にApp_Codeに放り込んでみたら全然動かなくてビックリした)。
大枠でMVCという静的クラスが生成されて、そこからたどっていく感じになります。ASP.NETでも自動生成されるグローバルクラスにASPっていうのがあるけどそれと同じような感覚ですね。とりあえず、最初に書いたサンプルをT4MVCで書くとどうなるか、ですが、↓こうです。
<% using(Html.BeginForm(MVC.Home.Actions.Index, MVC.Home.Name)) { %> <% = Html.TextBox("Name") %> <input type="submit" value="ポスト" /> <% } %> <% = Html.ActionLink("ホーム", MVC.Home.Index()) %>
リンクに表示する部分以外のマジックストリングが無くなりました。しかもこのMVCクラスは動的なので、アクションやコントローラの名前を変更したら、コンパイルエラーが起きるので、変更し忘れともおさらばですよ!素敵です。
これだけじゃなくてデスね、Linksというクラスも同時に生成されるんですが、そこにはContentフォルダとScriptsフォルダに含まれてるファイル達のリンクが生成されます。
<% = Links.Content.Site_css %> <% = Links.Scripts.jquery_1_3_2_js %>
↑こんな感じで。
さて、ここでActionNameAttributeをつけたアクションはちゃんと指定出来るのか気になるところなので、簡単に実験してみましょう。
[ActionName("Index2")] public ActionResult KoukaiShitakunaiNamaeNoAction() { return View("Index"); }
こんなのを作成してみる。保存したりすると、勝手にT4MVCが動く。で、ViewでIntelliSenceをきかせてみると~?
残念!ActionNameまでは見てくれませんでした。Index2が出てくるのを期待したんだけど。実行結果も残念ながら。元の名前のままでした。がんばって自分でtt書き換えてActionName属性を見るようにするか、おとなしく新しいバージョンを待つか。どっちが男らしい?
ところで、このT4MVCを実行するとすべてのコントローラはpartialクラスになって、すべてのアクションはvirtualが自動でくっつきます。どうしてかというと、ActionResultを引数に受け取るHtmlHelper拡張に渡して、URLを生成しやすくするためですよね。内部で独自クラスに派生させたコントローラを生成し、アクションをオーバーライドしてるんですね。なんとも強引な方法。コントローラ書き換えられるのが気持ち悪い!って人にはお勧めしないですけど...。
お試しあれ!